ロイヤルオークの名称の由来と歴史
はじめに
ロイヤルオークとは、スイスの高級時計ブランド「オーデマ ピゲ」を代表するスポーツウォッチシリーズ。その誕生から半世紀以上経った今でも、その洗練されたデザインと高い実用性で多くの人を魅了し続けています。しかし、この「ロイヤルオーク」という名前の由来や歴史については、あまり知られていません。そこで今回は、ロイヤルオークの名称の由来とその歴史について、詳しく解説します。
名称の由来
ロイヤルオークという名前は、17世紀にイギリスで起きた「オークの隠れ家」という史実に由来しています。1651年、イングランド共和国軍と王党派軍の間でウスターの戦いが勃発。敗れた王党派のチャールズ2世は、クロムウェル軍の追跡を逃れるため、ウスターシャーのボスコベル・ハウス近くの樫の木「ロイヤルオーク」に身を潜め、一夜を過ごしました。
この出来事を称え、1660年にチャールズ2世が王位に返り咲くと、ロイヤルオークは王政復古の象徴となりました。そして、オーデマ ピゲが1972年に発表した新しいスポーツウォッチに「ロイヤルオーク」と名付けたのは、堅牢さと耐久性を追求したこの時計が、樫の木のように強固で頼りになる存在であってほしいという願いが込められていたのです。
歴史
ロイヤルオークが誕生したのは、1972年のこと。当時、オーデマ ピゲは、スポーツウォッチ市場の拡大を狙っていました。しかし、当時主流だったスポーツウォッチは、機能性に特化したデザインが中心。そこで、オーデマ ピゲは、スポーツウォッチらしさを保ちながら、エレガントさと洗練さを兼ね備えた時計を開発することを目指しました。
デザインを任されたのは、イタリアのデザイナー、ジェラルド・ジェンタ。ジェンタは、伝統的なダイバーズウォッチの要素を取り入れながらも、ケースに八角形のベゼルを採用し、ビスを8本のビス留めすることで、他のスポーツウォッチとは一線を画す独特のデザインを生み出しました。
発表当初、ロイヤルオークはあまり評価されませんでした。しかし、その革新的なデザインと高い実用性が徐々に認められるようになり、1980年代には、スポーツウォッチの定番として確固たる地位を築きました。
進化とバリエーション
ロイヤルオークは、誕生以来、常に進化を続けています。1993年には、より薄く、よりエルゴノミクスに優れた「ロイヤルオーク・オフショア」が発表され、2005年には、スケルトナイズされた「ロイヤルオーク・コンセプト」が発表されました。
また、ロイヤルオークには、さまざまな素材やカラーバリエーションが用意されています。イエローゴールドやピンクゴールド、セラミックなど、さまざまな素材が使用され、文字盤の色も、ブラック、シルバー、ブルーなど、豊富に揃っています。
ランキング
世界で最も有名なスポーツウォッチの1つであるロイヤルオークは、さまざまなランキングで上位にランクインしています。
Chrono24の調査による「最も人気のスポーツウォッチ」:1位
Hodinkeeの調査による「最も影響力のある時計」:5位
WatchTimeの調査による「最も優れたスポーツウォッチ」:2位
まとめ
ロイヤルオークは、その独特のデザインと高い実用性で、多くの時計愛好家を魅了し続けています。その名称はイギリスの歴史に由来しており、時計そのものも、スポーツウォッチの歴史において重要なマイルストーンとなっています。誕生から半世紀以上経った今でも、ロイヤルオークは、時計愛好家にとって憧れの存在であり続けています。